みみよりブログ

くんくんの絵本

絵本

こんにちは。

雨の少ない東京の梅雨、きょうもご機嫌な青空です。
カレンダーの後ろで、暑い夏がそわそわしています。

さて、(唐突ですが...)
ディック・ブルーナさんには、3人のお子さんがいます。
さいしょのこは、シルクさん。
そして、もうひとり、おとこのこの、マルクさん。
それから、末っこのおじょうさん、マドロンさん。
(現在は、立派に成人されて、各々の専門分野でご活躍されています)

きょうお話しするのは、3番目のおんなのこにまつわるブルーナ絵本のエピソードです。

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『ディック・ブルーナの世界 パラダイス・イン・ピクトグラムズ』 (現在絶版)

1961年。ブルーナさんには、ひとつのアイディアがありました。
それは、すこし大きめの絵本を作ってみよう。ということ。
横長の画用紙に描かれた「おひめさまとこいぬ(仮)」の下絵がのこっています。

そのおなじ年に、ブルーナ家にかわいい女の子が生まれました。
それが、マドロンさんです。
ふしぎなことに、イヌがだいすきになる女の子だったのです。

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女の子は、すくすく大きくなりました。
ある日のこと、ブルーナさんにこんな風にたずねたそう。
「いぬのえほんは作らないの?」と。

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そして、1969年のこと。
ブルーナさんは、こいぬの(「くんくん」)の絵本を、作り上げました。
絵本の大きさは、というと...
やっぱり、このかたち。いつものちいさな正方形でした。

さて、どんなお話だったのでしょうか?
迷子になってしまったおんなのこをたすけに走るくんくんの勇姿。
頼りになるのは、良く利くじぶんの鼻だけでした。
くんくんの一心な思いと、おんなのこの心細い涙。
やがて、お話は、
ちいさな寝息とともに、温もりと安らぎへと変わってゆきます。

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1969年には、もう一冊 『くんくんと かじ』 も発売されています。
あらあら、泣いてばかり...?
走って泣いて、くんくんはここでも大奮闘。

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そして、このとき、それまで4色だけだったブルーナ絵本に、
あたらしく、茶色が加わることになりました。
茶色はくんくんを描くために生まれた色だったのですね。
絵本の創作がさらに広がってゆく、はじまりの予感が少しずつ膨らんでゆきます。

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当時、ブルーナ家で飼われていた黒いゴールデンレトリーバーが、
くんくんのモデルとなったそうです。
お鼻をクンクンさせ、力を宿したまなざしから、いくつもの物語を紡いだブルーナさん。
くんくんの絵本はこの先、様々な成長の変化が描かれてゆくことになります。

絵本
こいぬのくんくん』 ・ 『くんくんと かじ
ディック・ブルーナ 文・絵  松岡 享子 訳 福音館書店 発行

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絵本のお話と同じくらい、ぬくぬくのやわらかさ。
ちいさな手のひらサイズ。
いまはまだ、こいぬのくんくんです。

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