ちいさいころブルーナさんの絵本に親しんでいたわたしは、
大人になってから、ある事実を知って衝撃を受けました。
ブルーナさんの絵本が、
たった6色だけで構成されているということ。
あまりにも自然に、のびやかに日常が描かれているので、
それが限られた色数でつくられた世界だとは、
考えたこともなかったのです。
きょうは1月6日、
色(1・6)の日にちなんで、
ブルーナ・カラーのお話をさせてくださいね。
シンプルを追求したブルーナさんの絵本では、
ブルーナさん自身が作ったオリジナルカラーしか使われていません。
使う色は、基本的に
レッド、イエロー、ブルー、グリーン、ブラウン、グレーの6色のみ。
そこに紙の白地と、筆線の黒が加わって、絵本のすべてが表現されています。

ブルーナ・カラーをつくったときのことを
ブルーナさんは、このように振り返っています。
「なかなかたいへんな作業でした。自分がこれだという色を印刷所で納得のいくまで探すんです。すごく真剣に。シンプルにするということは、ちょっとした間違いが、全体に及ぶ大きな打撃になってしまうからね。」
それぞれの色には、メッセージが込められています。
ブルーナレッドは、
あたたかい家族と、うれしいときの色。

ブルーナイエローは、
あたたかい家の中と、楽しい気持ちをあらわします。

ブルーナグリーンは、
豊かな自然と、生命の色。

ブルーナブルーは
少し引き下がった色。静けさや寒さ、怖さの表現使われます。

ブラウンとグレーは、
当初4色で絵本を表現していたブルーナさんが、
どうしても必要になり、後から加えた2色です。
ブルーナブラウンは、
スナッフィーを描くために生まれた色。
ブルーナグレーは、
ゾウやネズミなどを描くために使われ始めた色です。

ボリスとコーのアイデアは、
ブラウンとグレーがあったからこそ生まれたのかもしれません。
ブルーナさんは
「それぞれが主張する強さを持った色なのに、隣り合ったときに、けっして互いの色味をそこなわず、引き立て合う色」
を作り出した、と語っています。
幼いころのわたしは、
絵本のなかに自分の知っている風景を重ね合わせながらページをめくり、
そこに何百万色もある、カラフルな世界を見ていたのだと思います。
きっとそれこそが、ブルーナさんのねらいである
究極のシンプルが作り出す想像の余白、だったのでしょう。
6色だけで描かれた世界は、
いまも変わらず、見る人のぶんだけ
色を増やしつづけているのかもしれませんね。
みかん
参考文献
『ディック・ブルーナのすべて 改訂版』講談社、2018
『ブルーナが語る ミッフィーのすべて』MOE編集部 編、白泉社、2017