これこそ、ぼくのじんせい
絵本こんにちは。
夏になると未知なる発見にわくわくするような、冒険小説が読みたくなりませんか?
ブルーナ絵本 『ふなのりの やん』 をひらいてみました。
ふなのりのやんは、ひとりきり、大海原に自分の船を乗り出し、
蒸気をあげてぐんぐんと先へ進みます。
今まさに、航海中。
やんは、こう思います。 “ うみのくらし、これこそ ぼくの じんせいだ ” と。
波の飛沫を気持ち良くかわし、どこまでもどこまでも、進んでいきます。
はるばる海を渡ること、7時間。いえ、まだまだ。
その果てに、やんが出会ったものとは...
太陽に近い島。
いちめん雪におおわれたその場所に居たのは、エスキモーの家族でした。
やんをこころよく迎え入れてくれます。
顔をすっぽりくるんでいる、あたたかそうな帽子。
犬ぞりで向かう先は、 こおりのブロックをドームのかたちに仕立てた家。
そのなかで、火をおこし、 あたたかいスープとパンで、やんをもてなします。
そんなエスキモーのくらしにふれたのでした。
そしてまた、やんの海の旅はつづいてゆきます。
『ふなのりの やん』
ディック・ブルーナ作 まつおか きょうこ訳 福音館書店 発行
ふなのりの“やん”が主人公のこのお話。
ブルーナさんのロマンを感じる一冊。オランダでの初版は、1964年でした。
黒を背景としたグラフィカルなイラストも印象的です。
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