「オランダのモダン・デザイン リートフェルト/ブルーナ/ADO」
イベント情報こんにちは。
涼しい風にのって、すうっとキンモクセイの香りが。
いい季節ですね。
さて、ただ今、東京・初台の東京オペラシティ アートギャラリーで
「オランダのモダン・デザイン リートフェルト/ブルーナ/ADO」が
開催されています。(11月23日まで)
https://www.dickbruna.jp/news/201608/4243.html
このポスターの左側にある、
赤い椅子(レッド・ブルー・チェア)や左下のジグザグの椅子(ジグザグ・チェア)。
ご覧になったことあるでしょうか。
ブルーナさんと同じ、オランダ・ユトレヒト出身の
建築家・家具職人のヘリット・リートフェルトさんの作品です。
さっぱりとシンプルで、
まっすぐまっすぐ、
限られた色、赤・青・黄色。
ざっくり言うと、そんな感じのリートフェルトさんの作品。
(あ、なんだかブルーナさんの絵本のことみたい)
ブルーナさんが生まれた頃、リートフェルトさんは、
そのような創作を追い求める
オランダの「デ・ステイル」という芸術運動のメンバーとして活躍していました。
それから、この展覧会では、オランダの国民的玩具シリーズADO(アド)の紹介も。
1930年代から50年代にかけて、オランダ中で広く販売されていたそうです。
ブルーナさんも、遊んでいたのかな、どうかな。
これまたシンプル、赤・青・黄色。
「デ・ステイル」の影響を強く受けているそうです。
「デ・ステイル」は、おもちゃにまで、ね。
ブルーナさんは、そんな当時のオランダのデザインの空気を
たくさん吸って育ったのかもしれませんね。
ブルーナさんはマティスやレジェなどの影響も受けながら、
のちにミッフィーを生み出していくわけですが
今回の展覧会では、グラフィック・デザイナーとしてのブルーナさんのお仕事も
たっぷりと見ることができます。
ブルーナさんがてがけた、ペーパーバック「ブラック・ベア」シリーズの表紙デザイン。
それから、そのペーパーバックシリーズの宣伝ポスター。
夜遅くまで本を読んで目を赤くした「ブラック・ベア」が登場します。
ポスターがずらりとならぶと、圧巻。
口をぽかーんとあけて、しばらく見上げてしまいました。
社会的な活動のために手がけたポスターも。
それから、こちらは、ミッフィーが誕生する前に
ブルーナさんが描いた絵本『フォーレンダムのトト』の原画です。
色使いや構図はかっこよく、登場人物の表情やたたずまいはかわいい。
どのページも魅力的で、じいっと見入ってしまいます。
宙に浮いているような展示の仕方もおもしろい。
初期のミッフィーも、オランダから来ていますよ。
1955年に刊行された絵本『うさこちゃんとどうぶつえん』(初版)の原画。
今日ご紹介したのは、ほんの一部。
あれもこれもそれも、魅力的な作品がいっぱいで、静かに大はしゃぎ。
もう、このお部屋に泊まりたい、と思いました。
リートフェルト、ブルーナ、ADO。
どれも洗練されているけれど、けっして冷たくない。
使う人、住む人、見る人に対する、たっぷりの愛情があふれているようです。
すっかり、オランダモダン・デザインのとりこになったところで。
さーて新宿でおいしいもの食べて帰ろうかな。
会場のアクセスのよさもうれしい、今回の展覧会です。
ぜひおでかけくださいね。
*「オランダのモダン・デザイン リートフェルト/ブルーナ/ADO」(平凡社)を参考にいたしました。
■ オランダのモダン・デザイン リートフェルト/ブルーナ/ADO
□ 会場:東京オペラシティ アートギャラリー ギャラリー1&2
□ 期間:2016年9月17日(土)から11月23日(水・祝)まで
*東京オペラシティ アートギャラリー 展覧会特設サイト
http://www.operacity.jp/ag/exh190/
アイ