うさこちゃんのさがしもの
絵本こんにちは。
きょうは、ただいま横浜赤レンガ倉庫で開催中の
「誕生60周年記念 ミッフィー展」で、その原画を見ることができる
絵本 『うさこちゃんの さがしもの』 (福音館書店) をご紹介します。
この絵本、いつになく可愛いうさこちゃん。
その仕草がとても印象的なのです。
では、お話しを追ってゆきましょう。
うさこちゃんの両方の目から、大粒の涙がポロリ。
すこし悲しい気持ちで、表紙をめくります。
だいすきなくまのぬいぐるみと、気持ち良く眠りにつくうさこちゃん。
でも、朝、目が覚めると、
一緒にねむっていたはずのくまさんが、 いなくなっていました。
(だから、泣いていたのね。)
さて、ここから、 “うさこちゃんのさがしもの”が、はじまります。
お部屋をすみずみ、見てみます。
こんなときにかぎって、おかあさんはおでかけ......。
おとうさん、おともだち、おじいちゃんとおばあちゃん、
それから、おばさんのところへと、ひとり、尋ねて回るうさこちゃん。
どこへ行っても見つからず、
肩を落として、 家へ帰るしかありませんでした。
その夜、うさこちゃんは、さみしくベッドに入ります。
おや。
うさこちゃんは、おふとんのなかで、足をのばします。
(ほらね、このしぐさ)
おやおや。
こんどは、毛布のしたに、もぐりこみました。
おふとんのなかで、もぞもぞ。もぞもぞ。
うさこちゃん、どんな格好をしているの?
そのおみみの動きを追っていると、一層もどかしくなります。
おふとんの中に、くまさんを見つけたうさこちゃん。
どんなにうれしかったことでしょうね。
なみだは、どこかへ消えて、
むねいっぱいに、安堵感がひろがってゆきます。
おしまい。
「ミッフィー展」で見つけた、ブルーナさんのスケッチ。
おふとんから飛び出たうさこちゃんのおみみ、何枚もありました。
この時ばかりは、どんなに動き回ったことでしょうね。
だからでしょうか、 いつもより一層、
うさこちゃんが、近くで感じられる一冊です。
*絵本 『うさこちゃんのさがしもの』
ディック・ブルーナ/文・絵 松岡 享子/訳 福音館書店 発行
完成された絵本の中には出て来ない場面のスケッチの数々。
試行錯誤の跡には、お話の裏側が見えてきます。
貴重なこの機会にぜひ、
「誕生60周年記念 ミッフィー展」 へお出かけくださいね。
誕生60周年記念 ミッフィー展 60 years with miffy 展覧会図録 (朝日新聞社)
横浜赤レンガ倉庫1号館での開催は、今月24日(水)まで。
その後、島根県立石見美術館を巡回し、終了となります。
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■ 誕生60周年記念 ミッフィー展
□ 会場:横浜赤レンガ倉庫1号館
□ 会期:2016年7月30日(土)~8月24日(水)
□ 入場料:一般1000円、大高生700円、中学生500円、小学生300円(当日券)
*ミッフィー展ホームページ
http://www.miffy60-exhibition.jp/
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※ぬいぐるみは私物です。
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