みみよりブログ

なにを食べているの? ミッフィーの食卓

絵本

こんにちは。

さて、こちらは絵本『うさこちゃんとあかちゃん』の一場面。
ミッフィー(うさこちゃん)のおうちにあかちゃんがうまれ、
次の日、ミッフィーが学校にお祝いのおかしを持っていく、
という場面です。

ミッフィーの食卓
『うさこちゃんとあかちゃん』(福音館書店) ディック・ブルーナ 文/絵 松岡 享子 訳

きれいに積み重ねられた、ひらべったいおかし。
どんなおかしなんだろう。どんな味がするんだろう。
と思っていたのです。

この本に、おもしろいお話がありました。
林綾野さんの『なにを食べているの? ミッフィーの食卓』。

ミッフィーの食卓
『なにを食べているの? ミッフィーの食卓』(講談社) 林綾野 著 

オランダでは、あかちゃんの生まれた家の人が
みんなに、あるおかしをふるまう習わしがあるんですって。
それがこれ。
砂糖コーティングしたアニスの種を、ビスケットにのせたもの。

ミッフィーの食卓

ミッフィーも、このおかしをみんなに配ったのかしら。
ブルーナさんも、お子さんが生まれたとき、
いそいそとみんなに配ったのかしら。
オランダの習慣を知って、いろいろと想像が膨らみます。

それから、ミッフィーが絵本の中で食べている「おかゆ」、ね。
ミッフィーもおかゆさん食べるのかあ…と
気になっていたこちらについても、この本にお話がありました。

ミッフィーの食卓

日本とはちょっと違うみたいですが
オランダでもおかゆ食べるんですって。
オランダの「おかゆ事情」から、
さらには、はるか17世紀のオランダの画家の作品にまで考察がおよびます。
おかゆ、から、17世紀… は、はてしない!

アートライター・キュレイターの林綾野さんならではの
ふかい考察が知的におもしろい。
詳しくはぜひ、本でご覧ください。


ミッフィーの食卓

絵本に登場する食べ物のレシピも掲載されていますので
自分でお料理して楽しむこともできます。
おいしそうな写真がたっぷりで、とにかくおなかが空きます。

ブルーナさんを敬愛している、著者の林綾野さん。
「ブルーナさんは、全霊を込めて作品を作っているのですから
それに恥じない仕事をしなくてはいけないと肝に銘じていました」
と、キリッと美しい眼差しでお話してくれました。
構成を考え抜き、文章を練り直し、ときには本の存在意義にまで立ち返り…
小さなかわいらしい本ですが、
すみずみにまで林さんのあたたかく、ときに熱い思いがあふれています。


ミッフィーの食卓

絵本に登場するたべものから、
オランダの人々やその暮らしにまで思いをはせてみる。
食いしんぼうな私には、とっても楽しい読書時間となりました。

ああ、おもしろかった。
おなかはペコペコになりますが、気持ちは満腹。
ごちそうさまでした。

 ミッフィーの食卓

アイ



『なにを食べているの? ミッフィーの食卓』
□林綾野・著
□2月29日発売
□1,500円(税別)
□講談社
https://www.dickbruna.jp/goods/201603/3904.html