ディック・ブルーナ ミッフィーと歩いた60年
日記ミッフィーのことは、
もう精一杯好きだと思ってましたが、
まだ好きになる余地がありました。
この本を読んでブルーナさんのことをもっと知ると、
ミッフィーのことを、もっともっと好きになってしまいます。
「ディック・ブルーナ ミッフィーと歩いた60年」
森本俊司 著/ブルーシープ 刊
長らくブルーナさんへの取材を続けてきた
森本俊司さんのあたたかい眼差しを通して、
ブルーナさんの半生が語られています。
お父さんとの衝突や、
なかなか破天荒な青年時代。
そして、忘れられない、暗く、辛い戦争の経験。
あの優しい作品を生み出すブルーナさんが、
こんな経験をしてきたなんて。
驚くとともに、まるで絵本の世界の登場人物のようで、
遠い存在だったブルーナさんが、
生き生きと、ぐっと身近な存在に感じられます。
そして、人生に起こるそれらの出来事に
まっすぐに向き合ってきたブルーナさん。
あきらめずに、ぶれずに、まっすぐに。
語られる数々のエピソードからは、
ブルーナさんの意志の強さが感じられます。
ふわふわのかわいいミッフィーには、
実は“ブルーナさんの思い”という背骨が
びしっと通っているのかもしれないなと思いました。
みなさんも読み終えた後、
きっとミッフィーをギュッと抱きしめたくなります。
さて、この本の著者の森本さんは、
もちろん大のうさこちゃん、ミッフィー好き。
5年前、ゴーゴー・ミッフィー展の会場でお会いしたとき、
「こんなメールが来ちゃいました」と
苦笑いをしながら奥様からのメールを見せてくれました。
その画面には、
「もうミッフィーのぬいぐるみなどを買ってはいけませんよ」とひとこと。
(ミッフィーと語らう森本さん)
そんなおちゃめな森本さんも、優しくも強い意志をお持ちの方。
この本の「終章」、大切にかみしめて読みました。
気持ちのざわざわすることの多い今日この頃、
森本さんの静かで強い思いに、胸が熱くなります。
ため息なのか深呼吸なのか、息がふーっと漏れました。
読み応え十分。夏の推薦図書にあげたいこの一冊ですが、
この本には書かれなかったお話がまだあるそうで、
来月8月1日、京都・恵文社一乗寺店COTTAGEにて、
森本さんによるトークショー
「ブルーナに会って、見たり聞いたりしたこと。」
が開催されることとなりました。
森本さんだけが知る秘話も含めて、たっぷりお話が聞けるのだそうです。
聞きたい、行きたい。
残り席わずかとのことですので、お申込みはお早めに。
8月1日より開催のフェアもお楽しみにね。
*詳しくはこちら
https://www.dickbruna.jp/news/201507/3261.html
この写真好きです。
ブルーナさんと森本さん。ふたりとも、ちょっとななめ。
アイ