みみよりブログ

ちいさなうさこちゃん

絵本

「ちいさなうさこちゃん」、という呼びかける言葉。
なんて可愛らしい、と思うのです。

きょうは、ブルーナ絵本を最初に訳された、石井桃子さんの言葉を載せてみました。
20120405

~『見開きの左ページは、まっ白で、かなりゆったりとした文字が4行、流れている。
右側の画面は力強い直線や曲線の交錯。
二つの目は黒い丸い点、口は×で描かれ、幼いウサギと見える主人公や周りの動植物は、原色で平塗りされていた。
そして、幼い主人公は、その丸い目で、必死に読者の私たちを凝視している。(中略)

・・・いったいこの本の左ページには、何が書かれているのだろうか。』 ~
20120405

すぐに絵本の謎は解け、いつしか「うさこちゃん、うさこちゃん」と、親しまれるようになります。
とくにちいさな子たちは...

『この本は「自分たち」の本だと、幼い子たちはいうのだ。直線や曲線を、大人よりよく読めるのだと、子どもたちは、いうのだ。
親たちの貴賤を問わず、幸福の世界をのぞいてみた子どもは、そう主張する。
うさこちゃんを一度読んでもらって、子どもたちが顔に浮かべるのは、大声の笑いではない、こぼれそうな頬笑みであった』
20120405
「50 years with miffy ミッフィー展」(2005/2006 朝日新聞社主催)のカタログに石井桃子さんが寄せられたエッセイより、
とても印象にのこっている言葉を『』で引用させていただきました。

20120405

こぼれそうな頬笑み。
キュンとなる響きがあります。
石井桃子さんのことばには、幸せと滋養がたっぷり含まれているような気がするのです。

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